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EBM(エビデンス)
最近、医学部のカンファレンスなどに参加させていただくことが多くなったこともありEBMやエビデンスという言葉を良く聞きます。 薬学の世界でも臨床薬剤師を目指すための大学カリキュラムがスタートし、EBMの必要性が言われるようになりました。 ただ、現在の調剤薬局での業務を見ていると、このEBMについてほとんど認識されていないように感じます。 これからは医療者を目指す薬剤師にとってこのEBMの実践は避けられないと思います。 6年制の薬学生は別としても、現在、薬局や病院で活躍している薬剤師、4年制の薬学生はこの考え方を自分たちで習得していく必要があると思います。
Evidence Based Medicine とは Evidence Based Medicine(EBM)とは、個々の患者のケアについての意志決定の場で現在ある最良の根拠《evidence》を良心的に、明らかに理解したうえで慎重に用いることであり、その哲学的起源を19世紀中頃のパリやそれ以前にさかのぼることができます(Sackett DL, 1996)。EBMの実践とは系統的な研究や臨床疫学研究などより適切に利用できる外部の臨床的根拠とひとりひとりの臨床的専門技量を統合することを意味します。臨床的な診断や治療はともすれば個人の経験や慣習に左右されることがよくあります。また、単に動物実験より類推した論理や権威者の意見により考察されることもあります。しかし、これらの方法が的を射ているのであればよいのですが、しばしば何の根拠もなく行われているために、ひとりひとりの患者にもっともよいものとならないこともあります。これは患者さん個人に不利益であるばかりでなく、医療費の高騰や社会資源の無駄となることも多々あります。言ってみれば、EBMはこれを回避するために、知りうるかぎりの疫学などの研究成果や実証的、実用的な根拠を用いて、効果的で質の高い患者中心の医療を実践するための事前ならびに事後評価の手技であり手段であります。よい医師とは豊富な臨床的経験と利用しうる適切な根拠の両方をうまく用いることができる能力を兼ね備え、患者本人のためを常に考え危険を避けるように努力している者と言えます。臨床的専門技量は経験に基づく医学のArtの部分であり、外部の根拠を基にした批判的検証評価はまさにScienceの部分であるといえ、このArt & Science の両者があってはじめて最良の医療ができるのです。ここにEBMの果たす重要な役割があると言えます。 「人生は短し、学術は長し。」(Vita brevis, Ars longa)で知られるヒポクラテスの箴言の続きにも「Experientia fallax, Judicium difficile(経験は欺く、判断は難しい)」とあります。EBMがその解決の糸口になるものと願っております。
Evidence Based Medicine の手順 EBMの実践とは自分の受け持つ患者のケアをするうえで必要となる診断や予後、治療法、その他の臨床あるいは保健上の問題についての臨床的に重要な情報を生涯にわたり自己研鑽する過程のことです。EBMの実践は以下の手順で行います。 1.臨床上の情報を必要とする問題を回答可能な質問に変える。(患者の問題の定式化) 2.その質問に答えるために最とも効率的な方法で、理学所見や臨床検査、文献、その他の情報源のいずれかより最良の根拠(evidence)を追求する。(能率的で質の高い情報収集) 3.妥当性(真実への近似)や有用性(臨床的応用性)という点でその根拠を批判的に検証評価する。(情報の批判的検証評価) 4.この評価の結果をわれわれの臨床的専門技量と統合し、実地臨床にその結果を応用する。(情報の患者への適用) 5.自分たちの実行したことを事後評価する。(研究課題の抽出) 以上(日本大学医学部公衆衛生学教室ホームページより抜粋)
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